超絶テクニック&高い芸術性を誇るギター・レジェンド、ジェフ・ベック

 70歳を過ぎてもロックにおける最重要ギタリストのひとりとされるジェフ・ベック。エリック・クラプトン、ジミー・ペイジ(レッド・ツェッペリン)とともに三大ロック・ギタリストと称され、ジャズやフュージョンをロックに大胆に取り入れた革新的なサウンドでロックにもジャズにも刺激を与え続けてきた。

 日本ではカバーアルバム『TRADROCK”Jeff”by Char』をリリースしているギタリストChar、そして上原ひろみのアルバム『ビヨンド・スタンダード』に収められいる「レッド・ブーツ」もジェフ・ベックの同名曲のカバーであり、音飛びするほど聞き込んだとのエピソードもあるほどで、多くのミュージシャンからリスペクトを受けている。

 “三大ロック・ギタリスト”と呼ばれる所以となった伝説のブリティッシュ・ブルース&ロックンロール・バンド“ヤードバーズ”、また、数々の名曲を生み出し音楽シーンに大きな影響を与えた“ジェフ・ベック・グループ”はジェフ・ベックを語る上でおさえたいポイントだ。

 

★伝説のバンド、“ヤードバーズ”

 ジェフ・ベックを語る上で外せないのが“ヤードバーズ”の存在。1963年に結成されR&Bやロックだけでなく、フォークやクラシック、ポップスの要素も取り入れ、さらには後のサイケデリック・ロックとハードロックの基礎を築いたとされ、音楽シーンと多くのミュージシャンに影響を与えた。

 三大ロック・ギタリストたちはエリック・クラプトンからジェフ・ベック、ジミー・ペイジという順に在籍した。ジミー・ペイジは後にメンバーの入れ替えを機にニュー・ヤードバーズと改名、そしてその時のメンバーロバート・プラント、ジョン・ボーナムとともにレッド・ツェッペリンへと発展させていく。

 ヤードバーズにジェフ・ベックが加入したことで、ヤートバーズだけでなく、ヨーロッパ〜アメリカのロック・シーン全てに新しい潮流を生み出していくことになった。

 

 

★ジェフ・ベック・グループ

 ヤードバーズ脱退後に組んだ新たなバンドがジェフ・ベック・グループで、一般的に2期に分けられ、それぞれポピュラーミュージックに多大な影響を与えた。

〜第1期 ヘヴィーなブルース・ロック〜

 1967年にロンドンで結成、ヴォーカルがあのロッド・スチュワート、そしてギターにはローリング・ストーンズのロン・ウッドというすごいメンバーだった。(ベースとドラムスは定期的に交代)

 1968年に発表されたデビューアルバムは『トゥルース』は、ビルボード200での最高位15位を記録し、ロッド・スチュアート、ロン・ウッドにとっては出世作となった。

 収録曲の「ベックス・ボレロ」にはジョン・ポール・ジョーンズ(レッド・ツェッペリン)、キース・ムーン(ザ・フー)も参加している。

 

 

〜第2期 ジャズ、ブラック・ミュージックからの影響〜

 第1期とは一線を画し、ジャズやモータウンといったブラック・ミュージックからの影響を大きく受けた時代。黒人アーティストのクライヴ・チャーマン(ベース)とボブ・テンチ(ヴォーカル)の存在はジェフ・ベックのこだわりの現れだ。他キーボードにマックス・ミドルトン、コージー・パウエルがドラムスというメンバーで『ラフ・アンド・レディ』(1971)、翌年『ジェフ・ベック・グループ』を発表した。『ジェフ・ベック・グループ』ではブッカー・T&ザ・MG’sのギタリストであるスティーヴ・クロッパーをプロデューサーとして迎えている。

 

 

★ジャズ・ロック、フュージョン、そして多様な音楽性

 ジェフ・ベック・グループ解散後、『ブロウ・バイ・ブロウ』(1975/全米4位)、『ワイアード』(1976)という2大傑作を世に送り出す。以来、ダンス・ミュージック、テクノ、クラシックなど、様々な音楽性にアプローチし取り入れ、今に至っている。

 

『ブロウ・バイ・ブロウ』(ソニー・ミュージック)
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『ワイアード』(ソニー・ミュージック)
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「スキャッター・ブレイン」/from『ブロウ・バイ・ブロウ』

「哀しみの恋人たち」/from『ブロウ・バイ・ブロウ』※スティーヴィー・ワンダーが書き下ろし

「セロニアス」/from『ブロウ・バイ・ブロウ』

「レッド・ブーツ」/from『ワイアード』

「ブルー・ウィンド」/from『ワイアード』

「グッドバイ・ポーク・パイ・ハット」/from『ワイアード』

 

★ジェフ・ベックに認められた、個性派揃いのメンバーたち

 BNJFでは2015年にリリースのライブアルバム『LIVE+』と同メンバーで来日。プリンスも信頼を寄せる女性ベーシスト、ロンダ・スミス、UKジャズシーンで活躍するニコラス・メイヤー、イエロージャケッツやリチャード・ボナに起用されるゴスペル出身ドラマー、ジョナサン・ジョセフとの強力過ぎるクインテットでBNJFにロックのスピリッツを注入する。

『“LIVE+”』(ワーナーミュージック・ジャパン)
※9月16日(水)発売予定
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